モナコインはGeForce GTXで効率よく採掘することができますが、採掘できたモナコインを売却して電気代を差し引いたのが利益となります。電力効率が高いほど増えるモナコインに対して電気代が少なくなります。
ここではMSI Afterburnerを使って、グラボの動作設定の最適化を案内します。
MSI Afterburnerを使う
MSI アフターバーナーはMSIのグラフィックボード以外も対応しています。
ここではMSI Afterburnerを用いていますが、同じような設定ができるものであれば、どこメーカー製のものでも構いません。
MSI Afterburnerを使う場合、MSI GamingAPPや他社メーカーの設定ツールは競合するので起動しないでください。
Afterburner | MSI GlobalにあるDownloadsから「MSI Afterburner」をダウンロードします。
ZIPファイルを解凍すると「MSIAfterburnerSetup442.exe」があるので、インストールします。数字はバージョンで、大きいほど新しく更新されたものです。
「RivaTuner Statistics Server」はゲーム画面にグラボの情報を表示するためのものなのでインストールしなくても構いません。
MSI Afterburnerを設定する
MSI Afterburnerを起動したら、設定ボタン(ギアのマークまたはSettings)で設定画面が開きます。起動してもメイン画面が表示されない場合はタスクトレイの飛行機のようなアイコンをクリックして表示させます。
メニューのタブをスクロールさせて一番右にあるユーザーインターフェイスを表示します。言語[Language]を「Japanese」に変更すると日本語表示に変わります。
スキンプロパティでアフターバーナーのメイン画面の見た目を変えることができます。ここでは「MSI Gaming Afterburner skin by Drerex Design」を基にします。
画面の見方は数値の左上がGPU Clock、左下がMemory Clock、右上が電圧、右下が温度となっています。
真ん中のレバーは、上から電圧、電力制限、温度制限、GPUクロックの調整、Memoryクロックの調整、FAN回転数の調整、となっています。
電圧設定は標準では無効となっています。電圧を上げると高クロックで動作しやすくなりますが、発熱と消費電力が増大して壊れやすくなります。ここでは電圧は弄らないで調整します。
電力制限と温度制限は標準ではLinkで繋がっています。Linkボタンを押して解除すると別々に調整することができます。
FANの回転数は%で調整します。基本はAutoで静音設定です。ファンの左側の設定ボタンを押すとユーザー定義の設定が有効となります。
ファンの独自設定は温度と騒音を確認しながら自分で調整することができます。■マークを引っぱることでそこの温度と回転数を決めることができます。■が無いところをクリックすると■を追加することができます。
ファンは同じ回転数でも搭載されているファンによって冷却性能や騒音が異なります。
AUTOを解除すると回転数を固定することができます。
レバーは右側の数値で直接指定することもできます。
設定を変更したら必ずチェックボタンを押して有効化します。
設定を保存したい場合は、Profileの鍵マークを解除した状態で、SAVEボタンを押してから数値ボタンを押すとその番号に登録することができます。チェックマークが点灯してるときは、チェックボタンを押すことで設定が変わります。
動作クロックを調整する
動作クロックは+100など標準よりいくつ上げるかで設定します。
FF14ベンチマークなどを動作させながら、クロックを少しずつ上げていきエラーで止まるところを探します。Core ClockとMemory Clockは別々に動作できる上限を確認します。
Windows10ではクロックを上げてエラーが起きてもGPUを使用しているFF14ベンチマークなどが停止するだけですが、古いOSではWindowsが固まってしまい再起動が必要になる場合があります。
上限を確認できたら、ギリギリ動作できる設定でCore ClockとMemory Clockの両方を設定して動作確認します。エラー無くベンチマークが完了できるようになったらそれが使える設定ということになります。
ギリギリではなく余裕を持って動作できるように設定を少し下げます。+120で動作するなら+110や+100にします。
グラボの動作確認にFF14ベンチマーク
グラボやPCを負荷を掛けて安定して動作できるか確認するのにFF14ベンチマークが使えます。
ここではGPUのクロック確認なので、設定変更のディスプレイ設定は「ウインドウモード」でMSI アフターバーナーが確認できる表示で行います。1920x1080のモニターの場合は「1280x720」などにして、アフターバーナーを操作できるようにします。GPUの負荷が高くなるようにグラフィック設定1は「最高品質」にします。
ループ再生を有効にすると60FPS制限が掛かりGPUの負荷が小さくなって動作確認にならないのでループ再生は使いません。
動作確認ができたら、最後にモニターに合わせた解像度のフルスクリーンで問題が起きないか確認して調整終了です。
マイニングの電力を測る
マイニングは消費電力を測定して売却したときにコストや経費として電気代を算出しないと売却額にまるごと税金が掛かってしまいます。
購入した場合は売値から買値を差し引いた分が利益として税金の対象になります。マイニングでは買値がなく、代わりに掛かった電気代を差し引いて利益を算出します。電気代を差し引いて赤字にならないように気をつけましょう。
おすすめのワットチェッカーはRATOC ワットチェッカー REX-BTWATTCH1です。
REX-BTWATTCH1
REX-BTWATTCH1の特徴は無線のBluetooth対応で、スマホやPCで消費電力を確認することができます。最大4台の同時使用に対応しています。スマートフォンの場合は、搭載されているBluetoothの性能によって4台同時には接続できない場合があります。その場合は接続を切り替えて表示することができます。
REX-BTWATTCH1の弱点は、プレーカーが落ちたりしてコンセント電力が止まると、記録が停止状態になり、電力が復旧しても自動では計測が再開されません。計測が停止された状態から再び計測を始めるときには計測開始を実行する必要があります。前のデータを残して継続して記録するか、前のデータを削除して新しい計測を始めるかを選ぶことができます。
アプリでは「リアルタイム」「1時間グラフ」「1日グラフ」「1ヶ月グラフ」を確認することができます。リアルタイム以外は数値がなくグラフの目盛りのため大雑把な確認になります、消費電力量と電気料金の時間毎や累積を確認することができます。
正確なデータはCSVファイルで書き出すことができます。「1時間グラフ」では1分ごとの数値データが1日分、「1日グラフ」では1時間毎の数値データが2ヶ月分、「1ヶ月グラフ」では1日ごとの数値データが1年分以上を書き出すことができます。
アプリでの電気料金は1kWhの料金を設定できます。
Excelで消費電力量を取得した場合は「(消費電力量 x 1kWhあたりの電気料金)/1000」で計算できます。東京電力 従量電灯Bの第三料金は30円02銭(2017年12月現在)であるので消費電力が300Wで24時間同じに動作しているなら、「((300ワットx24時間)x30.02円)/1000」で1日の電気代は216.144円となります。1000で割る理由は30.02円は1kWhの電気料金であり300Whは0.3kWhと同じであるためです。
1日の電気代が217円で1日に0.3MONAを取得しているのならば、1MONAのレートが724円以上あれば電気代で赤字にならないという計算になります。
赤字のレートならマイニングしない方が良いのか?というと、将来レートが上がるなら採掘して手持ちを増やす意味があります。その場合、安いときはマイニングではなく取引で購入しても良いでしょう。
マイニングは所有してるPCで行うべし
先のことはどうなるか分からないので、マイニング用にPCを購入するならその金額分を取引で購入する方が利益が出しやすいと言えます。
レートが1000円で月に1万円の利益になってPC代の元を取るのに20ヶ月掛かるなら、20ヶ月の間にレートが大きく上がっているかもしれません。マイニングで少しずつ増やすよりも、安いときに購入しておく方が高くなったときの売却益が大きくなります。
また、マイニングでは年数が経つと採掘量が減っていく仕組みになっています。ビットコインは既に一般のPCではビットコインを直接マイニングで採掘ができない状態に入っています。
モナコインはまだゲーミングPCでそれなりに採掘ができる状態です。ハッシュレートが10MH/sぐらいと低いですが旧世代のメインストリームであったGeForce GTX960でも採掘できます。最新のグラボと比べて性能の割に消費電力が高いですが、取引のレートが高ければ割に合います。
ゲーミングPCでGPUを使ってないときにマイニングするのが理に適った活用法です。
マイニングではGPUをフルに使うので、Windowsの画面の更新やマウスカーソルの移動がもたつくのでPCを使うときには停止させた方がよいです。
電力制限と温度制限を活用する
アフターバーナーでPower Limitを50%にすると動作電圧が低くなり消費電力が大きく低下します。
1Wあたりのハッシュレートの効率はGeForce GTX1070とGTX1060 3Gで50%に制限したときが一番効率が高かったです。電力制限を50%にしても動作クロックは2000MHzが1500MHzになるだけで半分までは下がりません。また、動作するCUDAコアが減るわけでもありません。そのため、ハッシュレートが下がるよりも大きく消費電力が下がって電力効率がとても良くなっています。
また、Power Limitを制限する場合でもGPUとMemoryのClock設定は高くしたままの方が効率が良いです。
GeForce GTX1060-3Gの場合、制限しない場合は159.3Wで24.61MH/s、Power Limit 50%では103.6Wで18.51MH/sとなりました。消費電力は65%に落ちましたがハッシュレートは75%で落ち込みが少ないです。消費電力が50%に制限したのに65%なのはグラボ以外の消費電力は変わらないためです。その辺りはマザーボードやCPUや電源の省電力化が大きく影響します。ここではドライブの接続はHDDは繋げずにSSD1つとBDドライブのみにしています。ここではハッシュレートが20MH/sを維持したい場合はPower Limit 60%となりました。
GTX1060はコア数が少なく、発熱量が小さいため温度制限は不要でした。今は冬で室温は20℃ぐらいですし、マイニングPCの熱でエアコンの使用を少し抑えられます。
GTX1070の場合はGPU使用率が高い状態が長く続くと70℃を超えてしまいます。熱による寿命を考慮するとTemp. Limitを69℃制限にしました。発熱が大きいためBoost Clockが効きにくいですが、GTX1060-3Gよりも電力効率が高くなっています。
GTX1070ではTemp. Limit 69℃の場合、226.3Wで41.4MH/sでした。温度だけでなくPower Limit 50%にすると、155.5Wで36.23MH/sとなりました。消費電力は68%になり、ハッシュレートは87%です。
使用したグラボについて
GeForce GTX1060
ここでのGeForce TX1060-3Gは価格2.6万円の「MSI GeForce GTX 1060 AERO ITX 3G OC」を使用しています。ビデオメモリ6GB搭載モデルと比べてCUDAコア数も少なくなっていますが、価格差1万円として3GBモデルのお買い得感は大きいです。
1920x1080の解像度では多くのゲームが高画質で快適にプレイできます。マイニングに使ってもモナコインなら20MH/s出るのでコストパフォーマンスが良いです。2枚使えば5万円ぐらいで40MH/sということになります。ただし、GTX1060はSLIには非対応です。2枚使ってもゲーム性能の向上にはなりません。
GeForce GTX1070
ここでのGeForce GTX1070は「MSI GeForce GTX 1070 GAMING Z 8G」です。購入価格は5.9万円程でした。
GTX1060-3Gを2枚使うよりもGTX1070が1枚の方が電力効率は高いです。ゲーム性能も圧倒的に上です。GTX1070Tiになると性能がTiなしよりも高くなりますが価格も2万円近く上がります。その価格ならGTX1080の方が効率が良くなってしまいます。GTX1070以上はSLIに対応しているのでゲーム性能が向上して4Kモニタの高画質も楽しめるようになります。マイニングはPower Limit50%で2枚使うというのをやってみたいですね。金額が高いと資金を回収する前に採掘量の減少や暴落や撤退などが怖くなりますが・・。
GeForce GTX1070+1060でマイニング
マイニングで使う分にはSLI非対応の組み合わせでも2種類のグラボを問題なく同時に使用することができました。
やってみると1枚だけの時より電力効率が高いです。というのもグラボ以外に掛かる電力の割合が低下します。2台のPCで別々に使うよりも1台のPCで2枚一緒に使う方が消費電力が低いわけです。
2枚使う場合は1枚の時よりも冷却されにくく熱が上がりやすくなります。そのため、熱の上昇による動作クロック低下の影響が大きくなります。
MSI Afterburnerでは設定の全般に「マスターグラフィックス プロセッサの選択」があります。「類似のグラフィックスプロセッサの設定の同期化」を無効にするとそれぞれ別々の設定が可能になります。
マイニングの場合はゲームのSLIと異なり、GPUが別々に動作するので1枚だけの時と同じ設定で動作することができます。ただし、温度は高くなってしまうので温度制限(Temp. Limit)の設定が必要なかったグラボも温度制限を設定するのが安心です。
設定を変えて確認したところ、温度制限を69℃にして、GTX1070はPower Limit 70%、GTX1060-3GはPower Limit 60%で使うのがバランスが良くなりました。GTX1060-3GはPower Limitを上げてもハッシュレートはあまり上がらないので50%か60%で良い。GTX1070はハッシュレートの上がりが大きいですが、熱が高くなると上がりが悪くなるので温度は69℃に制限しつつPower Limitは70%にするのが良かったです。2つ合わせると60MH/s前後になります。室温が上がるとGTX1070の動作クロックの上限が下がって58MH/s程になってしまいますが、ファン回転数を調整することで騒音が目立つようになりますが60MH/sを維持することができます。
ここで使ってる「MSI GeForce GTX 1070 GAMING Z 8G」はGTX1070の中では動作クロックが特に高い上位モデルなので他のGTX1070が同じように行かなくても不思議ではないです。無理は禁物で余裕を持って動作できる設定に調整しましょう。
寄付について
この記事が役になったよ!という方がいましたらモナコインとビットコインで寄付を受け付けています。
モナコインはレートが1600円/MONAの場合は0.000625MONAで1円分になります。
MONA 寄付の受付アドレス: MSaQXXPMozjgyt6Ax2cNGkLsdiv69CF77F
ビットコインは200万円/BTCの場合は0.000005BTCで10円分になります。
BTC 寄付の受付アドレス: 1oNQHBYhxEQmVpwthS1mrADG2ThkYo2Ru
ウォレットなどで上記のアドレスを送信先にして入力した数量が送金されます。
寄付の送金は手数料の高い取引所ではなくウォレットからをおすすめします。寄付よりも手数料が高かった!とならないように注意が必要です。業者を通さないローカルのウォレットからでも仮想通貨のシステムとして送金の手数料が掛かります。
ウォレットについては「モナコインのマイニング始めました。ウォレット編」をご参照ください。
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コメント
コメント一覧 (2)
その可能性があるので、あまり貯めずにこまめに売却していました。
下がっていく過程ではいつ上がるか分からないのを待つよりも、利益を確実に確定させた方が良いですね。
途中でMONAマイニングからNiceHashをメインに変えています。
それでも下がりすぎて春までで停止しています。
ブームものはなんでも、短い期間で急に上がるほど下がって終わるのが早いですね。
ガソリンなど資源の買いで高くなる分が仮想通貨に回ってくれると資源価格の上昇が抑えられて一般の生活には良いのですが、そうなりませんでした。
Zaifに置きっぱなしにしていた2MONAコインが不正被害に遭いました。減った分は強制売却扱いとなりました。
サブPCが空いてるときに回してたので利益は少ないですが、仮想通貨はいろいろ出来事が多くて楽しめました。
ブロックチェーンを使った暗号コイン技術はどんどん発展していきそうですが、通貨としては厳しいですね。